COVID-19 に対するビジネス継続性計画でデータを使用するための 4 つのステップ

このブログでは、新しいビジネスの方法に適応するためにデータと分析を使用する方法について、4 つのステップで構成されるフレームワークを提供します。ここでは、ウェビナー「Tableau における Tableau の利用: 変革を先導」からいくつかの例を共有します。このウェビナーでは、マーケティング、営業、財務などの Tableau のチーム全体で、危機への対応とリソースのより効率的な管理を行えるソリューションをどのように稼働させているかについて説明します。

ほとんどの組織には、ビジネスに対する予想外の影響に対応するためのビジネス継続性計画があります。回復力のある組織は、最前線のデータを使用してそのような計画を実行します。効果的な行動を取るために重要なのは最新の情報だからです。COVID-19 によって生じた前例のない混乱は誰も予想できなかったものでした。しかし、一歩先んじていた最も効果的なリーダーはデータを使用して、顧客や、企業のオペレーション、財務などに関連する課題に対処しています。

このブログでは、新しいビジネスの運営方法に適応するためにデータと分析を使用する方法について、4 つのステップで構成されるフレームワークを提供します。ここでは、ウェビナー「Tableau における Tableau の利用: 変革を先導」からいくつかの例を共有します。このウェビナーでは、マーケティング、営業、財務などの Tableau のチーム全体で、危機への対応とリソースのより効率的な管理を行えるソリューションをどのように稼働させているかについて説明します。

以下が、危機においてデータとプロセスを改善するための 4 つのステップです。

  1. 利用可能なリソースを使用して理解を図る
  2. 機会を特定し、必要に応じて新しいデータを収集する
  3. データを資産として使用し、情報に基づいて行動を起こす
  4. 行動の影響を評価し、改善する

1.利用可能なリソースを活用して理解を図る

当然のことですが、現在利用できるものを最大限活用することが重要です。強力な分析プラクティスを確立しているのなら、ピンチに陥ったときにビジネス上の重要な質問への回答を得ることができるでしょう。あるいは、データや分析の使用をこれから学ぶ必要がある場合は、その取り組みを行えば今後大いに役立ちます。

このウェビナーでは、Tableau の財務分析チームおよび顧客ソリューションチームが、以前に作成したダッシュボードなどの既存のリソースから開始して、ビジネスの現状に関する新しいデータを収集した方法について説明します。

危機が発生したとき、Tableau の財務分析チームは新しい何かを構築する前に、差異を示す自身のチームのダッシュボードを確認して、経済の変化が Tableau にどのような影響を与えているかを判断しました。差異を示すこのダッシュボードは、全事業部のリーダーにとって単一の情報源となりました。そこでは、財務に関する月次の再予測から総支出額などまでの最新の結果が集約されています。これらはリソース割り当てに役立つ情報です。この全社にわたる広範かつ詳細なレベルのインサイトは、ニーズの進化に合わせて迅速かつ戦略的に意思決定を行うのに役立っています。


差異を示すダッシュボード (Tableau 財務分析チーム作成)

カスタマーサクセスチームも、既存の分析リソースを活用して迅速に対応しました。COVID-19 によって取引がどのように影響を受けているかを理解するために、チームは既存の営業パイプラインダッシュボードに小さな変更を加え、ビジネスへの影響を定量化しました。

営業担当者には、COVID の影響を受けた取引について、CRM プラットフォーム内でその案件名の最初に「COVID」と付けるよう依頼しました。これらのデータ更新や追加のフィルターなどにより、現在、営業担当者はそれらのダッシュボードによって、どの取引にリスクがあるか (オレンジ色) を確認することができ、また、この危機がどのように四半期の業績に影響を与えているかについての詳細分析を行うことができます。これによって営業担当者は、この時期に対応が最も必要なセグメントや地域に集中することができます。このプロセスの詳細について、およびそれを自社で行う方法については、こちらのビデオをご覧ください


COVID-19 によって影響を受けた取引を示す営業パイプラインダッシュボード (Tableau 顧客ソリューションプログラムチーム作成)

2.機会を特定し、必要に応じて新しいデータを収集する

ビジネス継続性計画のもう 1 つの重要な部分は、データ自体です。既存のデータソースを確認し、ギャップを特定しましょう。次のような質問から開始できます。新しい質問への回答を得るために、調整する必要のあるデータソース、および収集する必要のある追加のデータは何ですか?

既存と新規のデータソースの組み合わせによって、ギャップを埋められる可能性があります。たとえば Tableau 人材分析チームは、集計された COVID-19 症例データと従業員データを組み合わせて使用することで、この前例のない危機において従業員をサポートする方法を把握しました。

ウイルスの感染拡大に関して、人事部は早い段階で従業員がどこにいるのかを把握する必要がありました。Tableau の人材分析チームは、情報に基づいてオフィスの閉鎖と追加の予防策を決定するために、地理的データと COVID-19 データを使用して新しいダッシュボードを構築しました。このデータは現在も、どのオフィスを安全に再開できるかについて判断するために HR が使用しています。


COVID-19 の症例に関して従業員を所在地別に示している人材分析ダッシュボード

COVID-19 および在宅勤務に関する従業員のメンタルヘルスを把握するために、人材分析チームは従業員アンケートの返答からデータを集めました。このデータを使用したのは、在宅勤務環境への移行を改善し、その懸念に対応して、従業員をできるだけサポートできるようにするためです。


従業員アンケートの返答を示す人材分析ダッシュボード

これらの新しいダッシュボードは、組織が新しいデータを収集および適用できる 2 つの方法です。これによって組織は前進し、ビジネス継続性計画をその成長の余地を残しながら策定できます。

3.データを資産として使用し、情報に基づいて行動を起こす

このビジネス継続性フレームワークの 3 つ目のステップは、行動を起こすことです。問題に対する完璧なソリューションを 1 回で設計するというプレッシャーに悩まされて行き詰まるのではなく、すぐに立ち上げられるソリューションに集中し、効果があるのは何かについて学びながら改善を繰り返していけるように準備しましょう。

危機が拡大するにつれて、Tableau の顧客ソリューションチームにはお客様からの要求が大量に寄せられました。これらの要求に関するクリーンで正確なデータを集めるため、また新たに割り当てられたリソースをお客様に提供するために、チームは従来のサポートチャネル以外のプロセスを開発し、その要求量の管理と可能なソリューションの優先度の決定を行いました。対応ワークフローを管理するために、チームは要求数、要求のステータス (保留中、進行中、停止中)、およびそのタスクに割り当てられた従業員を追跡するビジュアライゼーションを作成しました。


お客様からの要求のステータスを示す顧客ソリューションダッシュボード

COVID 固有の新しいワークフローの作成は、さらに 2 つのダッシュボードの作成へとつながりました。ボランティアスタッフのダッシュボードと作業追跡ダッシュボードです。スタッフダッシュボードは、地理的データと Slack チャネルデータをマージし、スキルのある従業員とその地域のお客様をマッチさせることで、適時性とカスタマーエクスペリエンス全体を向上させます。

COVID-19 作業追跡ダッシュボードは、要求に対して費やされた総時間と、解決に使用されたソリューションを追跡します。これによってマネージャーは、より効果的にリソースを活用でき、従業員が及ぼす影響を把握できます。

雪
森林

ボランティアスタッフと作業追跡にフォーカスした顧客ソリューションダッシュボード

この新しい顧客ソリューションプロセスは迅速に稼働が開始され、その後も更新を繰り返して進化しています。このすばやいアクションにより、顧客ソリューション、サポートおよびアカウント管理の各チームは顧客ニーズに迅速に対応できました。

4.行動の影響を評価し、改善する

基盤となるいくつかのダッシュボードを作成したら、更新の繰り返しを開始してアプローチを洗練していくことができます。

Tableau がシアトルオフィスを閉鎖した直後、さまざまな企業がパンデミックの影響を追跡できるようにするために、Tableau のマーケティングチームは COVID-19 データハブを公開しました。データハブ Web サイトと関連のデジタルイニシアチブのパフォーマンスを評価するために、マーケティング分析チームは 2 つのダッシュボードを作成しました。Web サイト KPI ダッシュボードと Web サイトコンテンツエンゲージメントダッシュボードです。

データハブの公開以来、多数のアクセストラフィックがありましたが、訪問者数やそのアクセス元、無料リソースをダウンロードしているかどうかなどの詳細情報を入手したいと考えました。そこで、チームは Web サイト KPI ダッシュボードを作成し、Google アナリティクスからさまざまなデータを取得して一元化された分かりやすい概要にまとめました。このダッシュボードからは多くの役立つインサイトが得られますが、そのうちの 1 つは訪問者の場所が分かることです。これはローカライゼーションチームがコンテンツの翻訳の優先順位付けを行うのに役立ちます。


Web サイトのパフォーマンスを追跡するマーケティング KPI ダッシュボード

パフォーマンスを把握できることで、マーケティング分析チームはデータハブの各要素をさらに深く掘り下げるようになりました。チームは、訪問者が Web ページからどのように Web サイトを流れていくのかを把握するために、Web サイトコンテンツのエンゲージメントダッシュボードを作成しました。この情報は、お客様への価値を最大化するためにエクスペリエンス全体を最適化する方法やコンテンツを改善する方法の判断に役立ちます。


マーケティングコンテンツエンゲージメントダッシュボード

データと分析のプロセスは徐々に増えていきます。特に危機の際には企業が学びながら進めていくためなおさらです。ステップバイステップのアプローチを取りながら、新たな情報が出現したらデータソース (およびダッシュボード) に戻って監査を行い、それらがまだ意味を成すかどうか、または新しい質問への回答を得るために修正が必要かどうかを判断します。

変革を先導するためのリソース

Tableau のこれらのチームは、危機への対応、リソースの効率的な管理、顧客ニーズ対応への注力のためにデータを使用しました。そして将来的に、このフレームワークが企業の回復に関する取り組みの基盤となり、不確実性をより的確に管理し、自信を持って迅速に変化するために役立つことを期待しています。

さらに詳細な例については、ウェビナー「Tableau における Tableau の利用: 変革を先導」の録画をご覧ください。この危機を乗り越える方法に関するアドバイスについては、リソースページ「データを活用して変革を先導」をご確認ください。