株式会社パルコ (Parco)

パルコ、膨大な顧客行動・IoT データを可視化、O2O 販促からテナント支援までリアルタイムに施策反映


やりたいことというのが、すぐに直感的に思い浮かぶようになった

大量の情報を分析にかけ、お客様にご満足いただけるようなサービス改善や施策の発掘などに活用

株式会社パルコでは、同社が運営するショッピングセンター「PARCO」のお客様に向けた販促情報の提供、出店テナント様向けの来店促進施策の提案・支援、接客改善など、売上拡大のための幅広いマーケティング支援を行っています。
最近では特に Web とスマホアプリ「POCKET PARCO」、実店舗のデータを統合・分析し、顧客行動を可視化することで O2O (Offline to Offline) 施策に積極的に取り組み、Wi-Fi を活用した IoT 実証実験などにも積極的に取り組んでいます。
そうした中で大量にある顧客行動データの分析・ビジュアル化に Tableau を活用、分析結果を O2O販促施策にリアルタイムで反映し、成果を上げています。

Tableau を導入して変わったことは、それまで数値を眺めているだけでは見えなかったことが、非常にビジュアライズされて見えるようになったことです。まずやりたいことというのが、すぐに直感的に思い浮かぶようになりました。

Tableau: パルコ社内でどのように Tableau を利用しているか教えてください。
林氏: パルコでは、Tableau を使った顧客の行動分析データをグループ ICT 戦略室と本部のマーケティング部門及び、パルコ全国の店舗営業のスタッフと共有して使っています。
Tableau は、顧客とのパーソナルなコミュニケーションツールとして開発した「POCKET PARCO」というモバイルアプリや Web、そして実店舗での顧客行動データを統合して分析、そこでの施策の効果を測定するなどに活用しています。Tableau を使って実現したいことは、お客様の行動をできるだけ統計的に把握し、その結果をお客様のサービスに役立てることです。

Tableau: 導入までにかかった期間はどのくらいでしたか。
林氏: Tableau 導入にかかった期間は、およそ 3 ヶ月ぐらいだったと思います。最初に Tableau の方に、導入効果や使い方をレクチャーしていただき、納得し、すぐに社内で採用に向けて動きだしました。3 ヶ月ほどで導入が決まったと思います。マーケティング部門で導入を決め、各店舗に展開する際にも、マーケティング側が主導し、導入自体は問題なくスムーズにできたと思います。

Tableau: Tableau で非常に優れていると思った機能や特徴はどのような点ですか。
林氏: 1 つ目は、非常に使いやすいということです。直感的に操作ができますし、色々なことを試しながら、それがすぐに画面に反映されるので、色々試してみたくなるというのが触った印象です。
2 つ目は、地理的なデータを地図上にプロットして顧客行動を統計的に可視化できるようになった点だと思います。全国に店舗を展開しておりますので、そのエリア毎でお客様が、どの周辺エリアから来店されているのか、あるいはその過程でどのような行動をとる傾向があるのか、そういったものを地図にプロットできるようになったことで、非常にわかりやすい表現ができるようになりました。そのため、そこから色々な施策を打つヒントというのを得やすくなったと思います。

Tableau: パルコでの Tableau の具体的な活用例と Tableau を導入した効果について実感している例について教えてください。
林氏: スマホアプリ「POCKET PARCO」から得られる顧客行動データの分析からスタートして、今は店舗内外の IoT デバイスセンサリング技術を使って、大量の情報を取得できるようになってきていますので、そういった情報と組み合わせて分析にかけ、お客様にご満足いただけるようなサービス改善や施策の発掘などに活用しております。
最近行った施策では、店舗内の Wi-Fi から収集されたデータを元に、お客様の館内での行動を統計的に分析、どのフロアのどういったサービスをご利用になられることが多いのか、などを可視化することで成果を出すことができたものがあります。その施策では、映画館をご利用になる方が Wi-Fi を多く利用されるので、映画をご覧になった前後にパルコの館内でお食事やお買い物をするように促す通知をアプリにスピーディに発信し、売上効果につなげることができました。
その他にも Tableau の良さを実感した分析活用例があります。最近の例ですが、雨天や晴天など天候によって、お客様がどういったお店で、どういう風な買い物されるかを Tableau で可視化することが可能になり、その分析を元に雨が降り始めたら、お客様の手元のスマホアプリに雨の日向けの販促通知を送信、雨の日でもたくさんのお客さんにお買い物に来ていただく、お買い物を楽しんでいただく、そういうことが可能になりました。

Tableau: Tableau Server を導入して、ダッシュボード、レポートを社内で共有することで改善された点があれば教えてください。
林氏: POCKET PARCO では、お買い物をされた翌日に獲得ポイントをお知らせする通知を行っていますが、その中で、アンケートに答えていただくような機能がございます。Tableau Server を導入することで、このアンケート情報、つまりお客様の満足度や、お客様が不満に思ってらっしゃることを本部の分析担当者だけでなく、店舗の営業担当者とすぐに共有できるようになりました。店舗の現場でお客様の声をすぐにフィードバックすることで、テナント店での接客の改善ポイントがすぐに明らかになり、接客の質を維持したり上げたりしていくことが非常にやりやすくなりました。

Tableau: Tableau利用の次のステップにどんなことをお考えですか。
林氏: 今後の Tableau 活用をどう広げるかですが、パルコで独自で取れるデータに加えて、ご出店いただいてるテナント店様がお持ちのデータ活用のお手伝いもできればと思っています。具体的には、テナント店様でお持ちのデータをパルコと共有していただいて、パルコのデータとテナント店様のデータを組合せて分析し、さらに接客が良くなるようなインサイトを発見し、活用していきたいと思っております。